その5 ~浜松支店への出向~

  そんな時間を繰り返している毎日に転機が訪れます。ある日、部屋の外がいつもよりにぎやかです。扉を開けて入ってくる浜松支店の営業さん、手招きをされてミーティングルームに招かれます。「浜松支店に来ないか?」「?」「大丈夫、うまく話を進めるから…」「?」空気的にもう断れる感じでもなく、本社の居心地もあまりよくなかったこともあって単身、浜松支店のデザイン部門の立ち上げをお手伝いすることにします。浜松支店は当時、社内でも売上もあり話はとんとん拍子に進みます。話が出て数ヶ月で浜松支店への出向がスタートします。

違う土地で単身でのデザイン

 営業さんと事務員さん、他にデザイナーがいない「人に頼れない環境への少し不安感」と「若干のアウェー感」での出向。仕事自体は本社でも経験していることの延長戦でした。そんな中でしたが、媒体の活かすためのオフィシャルサイトの立ち上げなど本社ではできない仕事を経験します。それでも数年もすれば、余剰時間はできるもの…浜松支店でも自分のための「ネットの勉強」「ブログ更新」とかいろいろとできることは続けていました。

もっと知識をもっとスキルアップを

 とにかく、時間があればいろいろなソフトをかじったのはこの時期です。3DソフトのSheadだったかな?ほかにFlashで簡単なアクションで動くアニメーション…いろいろなソフトをなんとなくかじってはブログで公開するようなことをやっていました。そちらで何かをするというよりは経験値としての勉強が主です。どれもパソコンのスペックに無理が出てしまうことも多くて諦めてしまったような記憶もあります。

慣れたことで生まれた関係悪化

3年ほど経過していたと思います。お互いに慣れてきてしまい、だんだん関係が悪くなってきてしまった頃、本社復帰の打診があります。本社に呼び出された時に自分史上、衝撃のお話になります。


さんたからの助言
 会社員を続けているとどうしても慣れやマンネリになってきます。仕事のムラも多くて忙しい時は本当に忙しい、暇な時間はとことん暇。モチベーションを保つことが一人だと余計に難しいかもしれません。これは本社に復帰して気づいたことですが、他のデザイナーさんから受ける刺激もないと、どうしても自分よがりのデザイン、覚えてきたことでしかデザインができなくなります。現在は独立して、またまわりにデザイナーさんいない状況です。できるだけ名古屋とかに出掛けて美術館巡りや本屋などでデザイン書を見て回る時間を作っています。刺激はデザイナーにとっては必要です、特に年齢がいくにつれて、スポンジは固くなり、吸収率も悪くなります。日々、遊び心を忘れない努力が大切です。

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