中間管理職のデザイン部のチーフになって、メンバーとの仕事の振り分けも順調に進みます。やはり余剰時間は出てきます。こんな時間も無駄に過ごさないようにデザイン室として会議で様々なことにチャレンジします。デザイン誌で開催されるコンペに参加、デザイン部のHPを作り情報を共有するなど、できる事を探しては課題を設けるなど、デザイン部全体のスキルを上げる努力は欠かすことはありませんでした。
時間は作るもの
就業時間以外には、趣味から派生した「革工房さんた」を作り、レザークラフトをはじめます。ほどなくして、営業さんのお客様から、楽天の新店オープンをプライベートで手伝いって欲しいとの話があり、独学で学んだ知識を元に手探りで楽天ショップを運営するお手伝いをします。数ヶ月昼夜を問わず、親身になって二人三脚でがんばっていたのですが、こちらがメールでお伝えしたことの真意が伝わらず、経営者の方を怒らせてしまい辞めることになります。残念な気持ちと生まれた反骨心で、本格的に革工房さんたを副業としてネット販売を開始します。
ブログからの集客
その当時はSNSもまだまだ盛んではなく、またMinneのようなクラフト商品を専門で販売するサイトもありませんでした。独自の方法で集客するしか方法がありません。慣れていたこともあってブログでの集客からのスタートです。この時期のインターネットは今ほどセキュリティが厳しくない時代、とにかく目立てばよいということで様々なことで「革工房さんた」を目立たせることを考えます。
ブログの中での友達作りからYahooオークションでの販売をはじめ手に届くものはいろいろと試してみます。現在は稼働していませんが、もちろんHPやをネットショップも自作で開始します。この頃はWEB解析という言葉はたぶん存在していない時代、ブログで確認できたのはアクセスカウンターやページビューぐらいの情報、その反応を見ていろいろな施作をして集客を増やすまでの考えはありませんでした。
読破組という存在
そんな少ない情報でも気づきはあるもの。ブログでの周知活動、ホームページからの注文を開始して数ヶ月で、県外の和歌山県から反応があります。注文は完全なフルオーダー、型紙の段階からメールでの仕様確認、製作工程をブログで紹介し、完成したら入金後に発注というアナログな商売方法でしたが、ご注文いただいた方にとってはリアルタイムで注文したものの製作工程が見られることが安心感につながったようです。続けていくうちに徐々に他県からの注文が入り始めます。
そこで気が付いたのが「読破組」の存在です。読破組は自分が名付けた、ブログを一気に読む方のことです。注文が入る前日もしくは前々日に一気にページビュー数があがるのです。のちのちWeb解析士の資格を取るのですが、これがいわゆるファンの獲得の瞬間だったのだと思います。
Twitterの登場
そんなころ、ブログやチャットなどのコミュニケーションツールが主流だった時代に一気に変化をもたらしたのが「Twitter」でした。私も少し怖さを感じながら登録したのを覚えています。現在もその頃のアカウントを使っています。独立への足掛かりにと、オフ会にも何度か参加しました。その後、Facebook~InstagramなどのSNSが登場します。こちらは独立してからの参加、SNSのそれぞれの特性を知る上でよい経験をしたと感じています。
●さんたからの助言
今からアナログのデザイン業界を体験することはできません。しかし、現在のデジタル環境の職場において ブログやSNSをはじめとする自分を発信するツール。こちらも実装しないデザイナーさんって意外と多いですね。さんたから言うと「絶対にもったいない」です。確かに人のPRばかりしていると自分PRができなくなるというか、本当に自己表現がうまくないんです。実は自分を表現するのが意外とデザイナーさんって下手なんですよね…たぶん。自分のデザインしたものを上げたり、その想いを伝えたり、いろいろとできる事はあると思うんです。さんたは現在、Facebook、Instagram、Twitterを使っています。(ちなみにさんたは仕事のことはほとんどあげませんが…)畑とかイベント出展とか賄いランチとか…できるだけ「人となり」を知ってもらう投稿を心掛けています。いろいろな反応をいただけて楽しいものです。独立をお考えのデザイナーさんなら絶対に発信をしてくださいね。
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