その8 ~独立のために~

 その当時の部下だった現在の相棒と「独立したいね。」なんて話をし始めて1年ほど経った頃。相棒は契約を切られることになります。近所のデザイン会社に転職が決まり、同時に独立のための足場の構築として具体的な事務所設立の時期はなかったものの、なんとなく人と繋がり始めます。その中の一環がTwitterのオフ会とかブログ村とかそんなコミュニティでした。その頃は、そういう機会や場所が多くあったのもよい時期だったのかもしれません。

デザイン事務所としての武器を

 相棒がアイスタイルデザインを設立し、裏方としてお手伝いをはじめます。出会った方からどんな仕事ができるの?とよく聞かれると話がありました。「なんでもできる」と答えてもなかなか伝わらない…そこでアイスタイルデザインのポートフォリオとして誕生したのが「季節誌しずく」です。相棒自身が農業とか産直とか食に興味があったこともあってアイデアを相棒にもらってから数日でパイロット版を作成。すぐに創刊をめざします。

いよいよ創刊~退社まで

 ポートフォリオとして創刊した「季節誌しずく」ですが、この発行をきっかけに見えていた景色が変わった気がしました。受け入れてもらいやすくなり、その影響は人と人との繋がりの変化も起こしていきます。体力的が無理がないように3ヶ月に1回の発行にしたことで動きやすくスムーズに軌道にのっていきます、もちろん相棒の努力の賜物でした。その後、あることをきっかけに退社を決意します。タイミング的にはよかったのだと10年経てば思えます。

サラリーマン卒業

 前職を約19年務めた時点で、サラリーマン歴は30年を超えていました。無職になって初めて経済の歯車から外れたんだ。。。という虚無感を覚えたことを記憶しています。同時に「早く経済活動の中に入らないと」と思うようになります。焦りもありましたが、とりあえず、できることから♪「世間知らずだから体を張って覚えていこう!」気持ちは不安と期待でいっぱいでした。

 「どうせ勝てないギャンブルなら最後のカードは俺に配らせてくれ~♪」あるアーティストの歌詞です。この歌が当時の支えでした。そうです、自分でカードを配ったのです、がんばるしかないのです。


さんたからの助言
 前職の会社から仕事をもらうことは考えていませんでした。何より関係を断ちたかったのです。いろいろな軋轢の中、壊れてしまいそうな時期もありました。とにかく辞めたいという気持ちを持ち続けて働くことは良い事ではありません。すぐに軌道に乗るわけもなく2年以上は2つのアルバイト、アイスタイルデザインと3足のわらじでした。

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