【自己管理】独立のための準備

 独立を考えているのならば自己管理は避けて通れません。時間はもちろん、心構えもテンションを保つのもすべて自分で管理しなければなりません。まあいいや、サラリーマンじゃないんだから時間は自分のもの、自営業=自由だから大丈夫とはいかない、これもいろいろな方法を使ってクリアしていけないと!独立前に確認しておきたい♪いくつかのポイントとヒントをご紹介します。

自分の武器を磨く

 さんたの武器は仕事の速さだと思います。これは他のデザイナーさんにも言われたことがあります。東三河のスピードスターを自負しています。何を武器とするかはそれぞれですが、自己分析する限りでは「ゴール設定」の速さだと思います。具体的に言えば、illustratorやPhotoshopを使った時のショートカットや迷いなくゴールに向かう操作などだと思います。ラフデザインが頭の中やラフスケッチを描いた時点でほぼ出来上がっていることが一番の速さだと思います。パソコンの前で迷うことはあまりありません。これは、誰でもできることなので磨くことをオススメします。

スケジュールの管理

 本当に便利になったと感じるのはメールです。パソコンの前にいなくても、携帯でメールを確認できるので仕事の流れが手に取るように組んでいけます。戻ったら、知らないうちに修正指示や新規原稿が出ていたとか、とっても急な依頼が山積みなっていた。なんてことは皆無です。メールさえ確認できれば、戻った後に何をすべきか優先順位を決めてパソコンの前に座れるのです。これで最短で必要な対応を優先することができ、心に余裕ができます。便利な分、逆に言えば縛られていますので心を休ませる時はしっかり気持ちの切り替えをしましょう。

仕事は準備が8割

 スケジュール管理もこれに近いものがありますね。要するに準備や心構えが整っていれば後は作業や事にあたるだけです。お弁当を作るにあたりメニューも何も決めずに作り始めたらどれだけ時間があっても足りません。頭の中で詰めるものやそのための下準備、冷蔵庫の中身などなんとなく決めてから取り掛かるように、仕事も必要だと思うことや物は事前準備できることはすべて済ませておく。具体的に言えば、ロゴや素材、画像、ラフデザインは事前に準備してパソコンの前に向かう。そうすることで格段に時間が早くなると思います。パソコンでレイアウトを動かして、素材を探して…とやっていると、横やりが入って集中力が切れてしまったり、迷ったりしてどうしても時間がかかってしまいます。できる事前準備は一番にしておくことをオススメします。

データもデスクトップもデスクまわりも整理整頓

 時間を取られる代表格に「探し物」があります。素材を探す時も気づけば2時間…3時間と非常に時間を取られることもあります。デスクトップでも整理整頓してないおかげで全然見つからないデータ、デスクまわりをひっくり返して探しても見つからない名刺、焼いておいたバックアップを探してもなかなか見つからない名前のついていないDVDの山…データも探すより作った方がよかったなんて時間を費やすこともあります。
 だからこそ、整理整頓が必要なのです。デスクトップの全面にフォルダやファイルが置いてあるパソコンを見ると残念な気持ちになります。仕事ができる人=整理整頓できる人だとさんたは思います。

ファイルネームも整理整頓

 これが意外とできていない方は多いかも?しれません。特にデータに関しては「整理整頓」を徹底してください。さんたの場合は例えば2022年8月6日A4サイズ両面の折込チラシであれば「220806クライアント名_チラシ」というフォルダを作ります。その中にillustratorデータの名前も「220806クライアント名_A4表.ai」「220806クライアント名_A4裏.ai」というデータを作ります。素材が多い場合は表裏ごとにフォルダを分ける場合もあります。そして、できる限り素材にも「クライアント名_素材がわかる名前.jpg」とリネームします。ここまで必要があるのか?という話ですが、過去にデータが飛んだことがあってデータを復旧した際にフォルダ単位で復旧できずに、同じ名前の素材がありすぎてデータが完全な状態で戻らなかったことから「クライアント名_素材名.jpg」とできるだけリネームするようになった記憶があります。検索の時に割と早く見つけられますし、場合によっては制作中のデータを誤って置き換えてしまうことがないとも限りません。できるだけ癖をつけましょう。

優先順位のつけかた

 さんたの場合は「早くできるものから仕上げる」ようにしています。例えば、10本の仕事を抱えていると仮定します。そのうちの7本は全部合わせても1時間程度で終わらすことができる、他の3本は日を跨ぐレベルのボリュームのある仕事だとします。10本も仕事があれば、気持ちが落ち着かないものです。でも10本から3本になったら、いくらか気持ちが楽になります。これは整理整頓的な感じだと思ってください。足元に仕事が雑然と散らばっている状態…そんな状態だと足を動かせば物があたり、足元も見にくいし動きにくい、なんだか落ち着かない…。だから早く終わる仕事を早めに片付けるのです。そうすることで動きやすくなる、足場が片付いたから大きな仕事3本へ向かって進んで登っていけるのです。これは個人差があるので一概には言えません、もちろん締切もあります、その時々、自分なりの優先順位のつけ方を決めておいてくださいね。

タイトなスケジュールを組む

 気持ちに余裕を持つことは大切です。が、カメの歩みでは間に合わないこともあります。さんたの仕事の基本は「ジョギングペース」。ダッシュして走り出すこともできるし、時には足を止める、ゆっくり歩くこともできるぐらいの感じです。このスタンスが身につくと少しタイトなスケジュールも積み上げていくことができるようになります。アポイントのタイミングを調整して、同じ方向にスケジュールを組み、戻ってきながらまた別のルートでアポイントを調整するってこともよくあります。1日に5件ぐらい回ることもできるので、時間短縮、燃料節約にもつながります。ただし、無理は禁物、ミスや事故でせっかくのアディショナルタイム以上のロスタイムを生むことになります。

自己管理に便利なツール

 独立してから使っていたのは「Evernote」です。アクセスする端末に限界がありますがうまく使えば無料で利用できます。簡単なスケジュールをメモしています。終業時に日付を変更して明日の仕事やアポイントの予定を記入しています。日々管理なので終わった業務は消して、新しい案件を入れておきます。これだけの更新で明日の準備ができます。
 スケジュール管理は「Googleカレンダー」です。GoogleサービスですのでGmail取得の条件はありますが、無料で利用できるのでオススメです。スケジュールの中に「Googleマップ」により住所を登録できるのでナビとして利用できますし、場所までの時間も確認でき、リマインダー機能でアラーム通知する設定もあるのでうっかりアポイントを忘れることも防げます。

基本的な心構え

 さんたも独立当時は自信がなくて知っていることの範囲で仕事ができれば…と思っていました。しかし、世の中はそんなに甘くないんです。例えば手取りで欲しいのが30万円だとすると、5万円の仕事を6本でクリアできます。しかし、1万円ならば30本です。休日返上して1日1本の仕事を仕上げるというペースです。これはあくまでも仕事があれば…の話です。だからこそ、仕事の姿勢としてはその場では「できない」と言わないことです。クライアントさんは見たものか、手にしたものの中で製作の依頼をすることがほとんど、つまり…誰かはその仕事をしているのです。自信がなくても、ツテがなくてもとりあえず「調べてみます!」ぐらいのバイタリティのある心構えでいてください。断った時点でせっかくのチャンスを失うのです!クライアントさんのご予算で知らないことに挑戦して、自分のスキルが上がる♪と前向きに楽しみながら初挑戦をしていきましょう!


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